相変わらず寒暖差の激しい1週間でしたね。
そろそろ花粉も本格的となり、ひとによっては厳しいシーズン到来なのかもしれません。
さて、今週は、
です。
【M&Aとキャリア】M&Aアドバイザリー業務の志望動機
年度末が近いという季節柄かもしれませんが、最近、当サイトを、
というキーワードで検索して来てくださる方が増加傾向にあります。
世の中のWebサイトでM&Aの志望動機をどのように説明しているか、改めて調べてみようと思いまして、Googleでこのキーワードを検索してみましたが、この点を丁寧に解説しているWebサイトは、相変わらずそんなに多くはなさそうです・・・。
このロジックの流れ見たことあるような・・・
とあるサイトなんかでは、
志望動機を考えるにあたってはロジック立てて考えいきましょう。
以下の順番で考えていきましょう。
①現状分析
②問題提起
③選択の合理性
④選択の現実性
というどこかでみたような論調の記事が掲載されておりました。
どうやら、世の中的に志望動機を説明する”くだんのフレームワーク”は受け入れられている(?)ようですので、今回は、また違う観点で志望動機を組み立てる方法を考えてみました。
まずは仕事をより抽象化(構造化)してみよう
まず、仕事というものをより抽象化して、M&Aアドバイザリーの特徴をあげてみつつ、どのように志望動機につなげるのかを考えてみましょう。
よく、志望動機として
という話を聞くことがあります。
正直申し上げてこれだけでは弱いといいますか、法律・ファイナンスの知識を使うというのは大前提であって、それだけがM&Aアドバイザリーの特徴じゃないよねというのが実感です。
世の中の仕事を色々な側面から分析するとして、その分け方は無数にあると思いますが、たとえば、
- 経営レベル or 現場レベル
- 未来志向 or 過去志向
- 当事者 or 第三者か
- チームワーク or ソロワーク
という側面で切り分けることが一案かと思います。
今回は、仕事というものを上記4つの側面で構造的に分析して、その観点におけるM&Aアドバイザリー業務の特徴をあげつつ、志望動機につなげてみようと思います。
M&Aアドバイザリーの仕事の特徴
M&Aアドバイザリーの仕事を先ほどの4つの特徴のいずれかに当てはまるのかを考えてみますと、次のような感じだと思います。
まず、土台として法律・ファイナンス等の専門知識があり、その上に、経営レベル、未来志向、第三者視点、チームワークという特徴があると思います。
志望動機サンプル集:「これがしたい→それは可能」でサンドイッチを作ろう
志望動機を述べる場合、
- これがしたい → それは可能
という流れでつなげるのが良いでしょう。
なお、「それは可能」について述べるときには、今できることと、今はできないけれども課題としてどういうことを考えているのか踏み込んで発言することで、等身大の自分を客観的にみられる人物として好評価をしてもらえるかもしれませんので、その点にも気をつけたいところです。
志望動機の説明の冒頭はこんな感じ
ということで、面接時、具体的に志望動機として述べるのであれば、こんな感じで始めることになろうかと思います。
(サンプル)経営レベルの仕事がしたい→それは可能
たとえば、M&Aアドバイザリーの特徴である、「経営レベルの仕事」という特徴について、「したい→可能」の流れで説明しようとするとこんな感じだと思います。
世の中の仕事は大きく分けて経営レベルと業務・現場レベルに分けられると思います。例えば一般事業会社で一人の従業員からはじめて現場レベルで揉まれながら、長い時間をかけて経営レベルを目指すというやり方もあると思いますが、私はもう少し早く経営レベルの仕事に触れてみたいという気持ちがありました。
M&Aというのは、まさに経営レベルの判断を要する案件が多いと思いますので、そのような大きな視点での取り組みに、まずは末端であっても関与したいと強く希望しております。
もちろん、仕事は「やりたい」だけではできないということはよくわかっております。経営レベルの判断を要するようなM&Aアドバイザリーの仕事は、適時適切な対応を求めれられると思っています。たとえば、体力・気力という観点では・・・(経歴・特徴を述べる)・・・という実績から向いていると思いますし、専門的な知識という観点では・・・(別の観点で、経歴・特徴を述べる)・・・といった具合に、これからより一層勉強が必要ではありますが、引き続き高い意欲をもって取り組みたいと思います。
(サンプル)未来志向の仕事がしたい→それは可能
続いて、「未来志向の仕事」という特徴について、「したい→可能」の流れで説明しようとするとこんな感じだと思います。
世の中の仕事は未来志向と過去志向の仕事があると思います。たとえば、決算書をつくる経理業務は重要な仕事ではありますが、その仕事はどちらかというと過去の会社の姿を会計という側面で正しく記録・表現することが主軸にあると思います。一方で、M&Aアドバイザリーの仕事は会社が将来どうするのか、たとえばどの会社を買い、代わりにどの会社を売るのかといった仕事は決まっていない将来について考えていくということでまさに未来志向の取り組みだと思います。私としては、決まっていない将来についてクライアントやチームメンバーと共に作り上げていくことに魅力を感じますので、ぜひともこの仕事をしたいと思っています。
この点でも「やりたい」だけではできないということはよくわかっております。未来志向の仕事をする上で気をつけなければならないことは、「定められた正解がない」ということだと思います。たとえば、先ほどの経理業務で言えば、過去の経営実態についてどのような決算書を作るべきか、基本的には正解というか会計基準等に従った上でのあるべき姿があるものだと思っています。
一方で、M&Aアドバイザリーのような未来志向の仕事は正解がないといいますか、事前に正解がわからないという特徴があると思います。個人的には、・・・(経歴・特徴を述べる)・・・という感じに、唯一の正解を探すというよいも、なおベターな選択肢を考えるということを重視してきました。この考え方は未来志向の仕事に整合しているのではと考えております。
もちろん、正解のないところを追求していく仕事は非常にタフで辛い局面もあるかと思いますが、それはチームメンバーの皆様と協力しながらクライアントにとってより良い結果が導かれるようなサポートをしていきたいと思います。
(サンプル)第三者的な関与の仕事がしたい→それは可能
続いて、「第三者的な関与の仕事」という特徴について、「したい→可能」の流れで説明しようとするとこんな感じだと思います。
M&Aアドバイザリーの仕事は「アドバイザー」という文字通り、当事者ではなく第三者として助言をする仕事であると理解しています。
特に、FAの仕事は、M&Aの案件(ディール)を成立させるところに重点的に関与するものと認識しています。
M&Aへの関与の方法として、当事者、つまり事業会社のメンバーとして案件に取り組むという方法もあろうかと思いますが、当事者で取り組むことができる案件の数という観点では限界があると思います。
他方で、アドバイザーという仕事であれば、M&Aのディールを遂行する部分に特化した仕事ができるため、より多くの案件に関与できるものと考えています。私は、・・・(経歴・特徴を述べる)・・・という観点で、より専門知識を活かして多くのディールに関与し、たくさんのクライアントのM&A案件に貢献したいと考えております。
当事者か第三者かというのは、仕事に対するスタンスの違いであって、向き不向きはあるかもしれませんが、どちらかでなければダメだということはないと思っております。それでも、第三者をやってみたく、それが可能なのではと思う背景としては、・・・(経歴を述べる)・・・という観点で、冷静に物事を客観的な視点から見るということに慣れていると思いますので、クライアントが迷うような場面でこそ寄り添ったアドバイスができるようになりたいと思っております。
とはいえ、仕事をはじめてすぐにはクライアントへのアドバイスが直接的にできるようになるわけではないということも承知しておりまして、まずはチームメンバーとして見解をまとめる際に、私なりに分析した視点を加えることで、チームとしての見解をブラッシュアップすることに貢献していきたいと思っております。
(サンプル)チームワークの仕事がしたい→それは可能
最後に、「チームワークの仕事」という特徴について、「したい→可能」の流れで説明しようとするとこんな感じだと思います。
世の中の仕事は広い意味でとらえれば、どんな仕事も一人で完結するものはないということは承知しておりますが、それでも大別すれば〇〇営業担当者のようなソロワークの多い仕事もあれば、M&Aアドバイザリー業務のようにチームワークが基本である仕事に分けることもできると思います。
私がチームワークの多い仕事をしたいと思う理由は、・・・(経歴から理由を述べる)・・・という観点でチームワークで何かを成し遂げる喜びを大切にしたいからです。
[現在の仕事/大学生活における〇〇活動]において、チームワークで動いておりましたので、チームでの仕事には慣れていると自負しております。
M&Aアドバイザリーの仕事は未経験ですから、チームといっても、まずは末端のメンバーとして、チームの諸先輩方がより良い仕事ができるように尽力していきたいと思っております。将来的には、チームを率いる立場になって、後輩等の指導にも貢献し、組織貢献もしていきたいと思っております。
さいごに
以前の面接対策の記事でも述べたように、志望動機を述べるに際しては、その内容も気になるところではありますが、枠組みとしていかにロジカルに説明できるかという点も、重視して見られるところだと思います。
- 現状分析
- 問題提起
- 選択の合理性
- 選択の現実性
の流れで説明するというのはひとつのアイディアですが、これが縦糸だとすれば、横糸的な切り口として、M&Aアドバイザリーの仕事の特徴から分析してみるということもあり得るかな思いましたので、こんな感じの記事に仕立て上げました。ご参考になれば、幸いです。