週刊M&Aバンカー第18号:リモート会議のTipsをアップデート

週刊M&Aバンカー
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毎度気候の話ですが、かなり寒くなってきましたね。

例年11月は紅葉を見に行くのですが、今年は環境要因に加え仕事自体もだいぶ忙しめであったため出かけることなく過ごしてしまいました。

さて、今週は

【仕事術】リモート会議のTipsアップデート

です。

【仕事術】リモート会議のTipsアップデート

以前、コロナ環境下で増えてきたリモート会議(Web会議・電話会議)の効率的な進め方を記事にしました。

(参考記事)

電話会議を効率的・効果的に進めるためのポイント
昨今の激変する環境下において、参加者それぞれが遠隔地にいる中で会議をおこなうケースが増えてきています。その場合の手段としては電話会議・ビデオ会議(Web会議)が一般的でしょうか。 社内会議のみならず、外部の方(クライアント)との会議も対面で...

この記事でもいくつかのポイントをあげたわけですが、さらに半年以上の追加的なリモート会議運用期間を過ごしてきて思ったことを今回はざっくばらんに述べてみようと思います。

会議の目的は事前にすり合わせておこう(アジェンダの事前共有)

アジェンダの事前共有なくともなんとかできた時代

会議のアジェンダが明確なケースではあまり問題にならないのですが、時折、特に偉い方の時間を先んじて押さえておいたようなケースのように、会議の目的はさておき取り急ぎメンバーの時間をおさえていたような会議において、いざ直前になって、

  • そもそも今回の会議は何のためだっけ?
  • クライアント上層部における本件の認識・方針はどうなっているか聞いている?
  • アジェンダを事前に送付している?

といったダメ出し会話がなされることもあります。

リモート会議運用となる以前から、このような会議のやり方はしばしばあったのだと思いますが、リアルで面談する場合はクライアントの事務局のキーパーソンに

「今回の会議ですが、●●様(役員等の偉い方)のご認識はどんな感じでしたっけ?こういう方針での説明でOKでしょうか」

と事前にささやかに会話したりして上手くやり過ごしていたのだと思います。

一方で、リモート会議の場合、その事前すり合わせを本番と同じ会議でやったり、本番の冒頭でやろうとすると、そのやりとりを全員が認識してしまうことから段取りのなさが露呈します。

リモート会議のアジェンダは事前に明確化する

リモート会議時代では、アジェンダの事前共有は必須です。

偉い方含めて、貴重な時間を確保していただくわけですから、当たり前のごとく、アジェンダは事前送るようにしましょう。

そのためのポイントとしては、アジェンダを確定する前に、クライアントにおける最新の協議状況を確認する意味でも、電話や単線メールでクライアント側のキーパーソンとアジェンダの内容確認をしておくことが望ましいです。

・・・と、文字で書くと当たり前に思えるのですが、いろいろな会議が並行しているとどこかの会議では事前準備がほぼなされていない状態なんてのもあったりしますので、念には念を入れて案件メンバーのリモート会議についての意識を高めていきたいところです。

リモート会議は今後も重要な手法のひとつになるか

緊急事態宣言明け以降、徐々に対面での会議が解禁となり、M&Aアドバイザリー業界でも対面会議の機会は増えてきています。

とはいえ、案件メンバー全員が一堂に会することはやはり多くなく、クライアント側からも

「三密を避けたいので、なるべく少人数でお願いします」

と言われることもありますし、全ての会議を対面でやるのではなく、定例的な会議はリモート会議で代替運用したりするケースもあります。

たぶんですが、そんなに重要度の高くない会議については、わざわざ一堂にあるまる移動コストをかけるよりも、さらっとWeb会議・電話会議で行った方が効率的だよねということに多くの人が気づいてしまったのがこのコロナ環境なのだと思います。

そして、以前よりもいわゆる偉い人たちもリモート会議をむしろ好むようになってきたケースも増えてきているようにも感じます(「業者が会いに来ないなんてけしからん」という前近代的な発言をする方はだいぶ減ってきているように思われます)

ということで、引き続きリモート会議は重要な手法のひとつになっていくのでしょう。

それでも説明者は極力現場に行こう

という環境下ではありますが、やはり対面での会議の有効性・効率性に勝るものはありません。

電話会議では音声のみ、Web会議で画面をOnにしていれば表情はなんとなくわかりますが、現場の空気感、表情の微細な変化といった要素はこれらの会議手法では情報としてほぼカットされてしまいます。

ゆえに、何らかのプレゼンをする際に、説明者(プレゼンター)が説明の現場に行かずにリモートで対応しようとすると、

  • それは知っているんだけどな(もっと効率的に説明してよ)
  • いま質問してもいいのかな(なんか一方的で話に割り込みづらい)
  • ちょっと眠くなる説明の仕方だな(大学の講義か?)

といった具合に、時折変な空気感になったりします。

現場にいれば、顔を見ながら臨機応変にできることが、リモートだと途端に難しくなるわけです。

したがって、説明者(プレゼンター)は極力現場に行き、リアルにお客様に対面することがやはり望ましいと思います。

特に一方通行ではなく、双方向の議論をするような場合にはリモートだとまったく埒が明かないなんてことにもなりかねませんので、注意したいところです。

たとえば、Valuation報告会と入札価格協議といったM&Aに係る重要な会議をリモートのみでやろうとすると、過去に何度もやりとりをしていて相当に親密になっているクライアントとでないと簡単にミスリードが起こってしまう印象です。

さいごに

いつまでこのような働き方がつづくのかはだれにもわからないところですが、先にも述べた通り、おそらくは完全に元のビジネス慣行に戻るってことはないのではないかなと思います。

リモート会議の利便性を皆が知ってしまった以上、これを有力な手段として活用していこうとするのは自然な流れです。

とはいえ何でもかんでもリモート一辺倒にするというのも無理がありますし、非効率ですから、会議内容・属性によって臨機応変に対応していきたいところです。

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