今週は深夜帰宅をした日もあったのですが、南東の空に冬の大三角形が見えました。
特にシリウスの輝きはさすがは視等級-1.46ということで、空気が澄んでいるのもあいまってとても明るく見えます。
さて、今週の週刊M&Aバンカー(第16号)は、
です。
【M&Aとキャリア】M&Aアドバイザリーの仕事のやりがいを聞かれたとして
最近は採用応援に駆り出されることもあまりなくなってきているところですが、後輩が採用の手伝いをするに際して、
「学生とどう喋れば良いですかね」
という雑談をすることがあります。
自社の強み弱みは説明しやすいけれども・・・
学生からの質問に答えるに際し、他社との比較、当社の強みはなんとなくしゃべれるわけですが、
- そもそもなんでM&Aアドイバイザリーの仕事をしているのか
- それが面白いのか、やりがいがあるのか
という話題については、どういう具合に話をもっていくべきか悩むところです。
転職経験があり、アドバイザリー業務の前に別の仕事をしていた経験がある場合はそれとの比較によって今の仕事の良いところ悪いところをなんとなく語れるかもしれません。
しかし、アドバイザリーの仕事しかしたことない人間が、それを客観的に語るというのは結構難しいかもしれませんが、たとえば、
- 給料がいい
- 専門知識を学べる、駆使できる
- 社会的な観点で、あるべき事業をあるべきところへ配置することへの貢献
といった良さがあるという説明になるのかもしれません。
3人の石工という寓話
ところで、ドラッカーのマネジメントに3人の石工という寓話があります。
あるところに、3人の石工がいました。1人目の石工に「あなたは何をしているのか?」と尋ねます。すると、石工は「親方の命令でレンガを積んでいる」と答えました。2人目の石工にも同じ質問をすると、「レンガを積んで塀を造っている」と答えました。そして、最も生き生きとした様子で仕事をしている3人目の石工は、「人々がお祈りをするための大聖堂を造っている」と答えました。
しばしば言われることですが、ひとが自分の仕事をどのように認識しているのかには3つの状態があようです。
- ジョブ(Job)
- キャリア(Career)
- コーリング(Calling)
ジョブに属する人はお金のため、キャリアは成長のため、コーリングは社会貢献・自己実現のためといえるかもしれません。先ほどの石工の例もそれぞれ順番にジョブからコーリングまで対応しています。
そして、どうやら自分の仕事をジョブと認識するよりも、キャリアやコーリングとして認識できているひとが幸福感があるといわれています。
アドバイザリーの仕事の良さを再考してみる
先ほどのアドバイザリー業務の良いところの説明も、この順番で並べて見ていたところです。
- Job:給料がいい
- Career:専門知識を学べる、駆使できる
- Calling:社会的な観点で、あるべき事業をあるべきところへ配置することへの貢献
ただ、私は俗物なのでそれぞれのバランスをよくとることが肝要かなと考えます。
つまり、社会貢献ができれば低い給料でも良いかというとそんなことはないですし、やはり一定程度のキャリアの成長機会に恵まれた方が嬉しいと感じてしまうところです。
ただ、逆に言えば、「お金だけ」とか「成長だけ」というのもつまらなく感じると思いますので、それぞれの3つの方向性のバランスが大事というわけです。
社会貢献といっても、何でそれを感じるかは人によって異なる
なお、それぞれの要素の中身については各人の価値観によって重要だと思うことは変わるものだと思います。
たとえば、Calling(社会貢献)的な目線について考えみますと、
- 新聞の一面に載るようなBig Dealに関与することが(仮にその末端であったとしても)が重要と思う人
- 新聞には載らない小さめのDealかもしれないが経営層と膝詰め二人三脚でディールを進めてお客様に満足いただける結果をハンズオンで出すということに意義を感じる
という異なるタイプが居ると思います。
価値観が異なるひとの話を聞いてもピンとこないから回数を増やすべき
そもそも、人によってJob、Career、Callingのいずれに重きをおいているのか(いずれの枠組みで仕事を認識しているか)が違いますし、さらに、同じCalling重視(社会貢献)という人でも、どういう働き方をすればそれを感じるのかというのはだいぶ人によって異なってきます。
ゆえに、ある人の話をきいてもあまりピンとこないこともあれば、すごくしっくりくる説明をしてもらえることもあるでしょう。それはすなわち説明者と自分の価値観が似ているかどうか次第になってくるわけです。
ということで、説明する側じゃなくて説明を受ける応募者の皆様へのメッセージになりますが、新卒・転職を問わず、採用に応募しようとしている人は、できるだけ多くのひとに話を聞いて、それぞれのひとがどんなところに仕事のやりがいを感じているのかをできるだけ数多く確認した方が良いと思います。
誰かのいうこと(このブログもそうですが)を鵜呑みにせずに、多面的に分析していくことが大事だと思います。
さいごに
週刊シリーズを始めた頃はいまよりも時間があったので、複数の記事をまとめてあげていましたが、最近は忙しくなってきたので、1トピックしかかけないことも多くなってきましたが、最低でも1つは何か書くように継続していきたいです。