M&Aアドバイザリー(FA業務)の中途採用で重視されるポイント

M&Aとキャリア
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今日は、投資銀行等のM&Aアドバイザリーの仕事に転職をしようと検討している方向けに、企業側が採用において何を重視しているかを考えてみます。

前回は、M&AアドバイザリーのFA業務未経験の応募者側がとるべき戦略について記事にしましたが、採用側の思惑も知っておいた方が良いと思います。

(参考:前回の記事)

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FA業務の中途採用で重視されるポイント

M&AアドバイザリーのFA業務の中途採用で企業側が重視する要素は、次のようになると思います。

  1. これまで経験した職務の内容
  2. 頭の回転のはやさ(結果的に学歴)
  3. 若さ(年齢)
  4. 保有資格

更に、経験者または未経験者のそれぞれのカテゴリーに応じて、「英語力やM&Aに関連する知識の保有量」もチェックします。

(ただし、この要素を全て満たす「超人」であっても、必ずしも面接を通過できるわけではないという話もありますが、それはまた別の機会に)

1.これまで経験した職務の内容

経験者の場合

FA業務の経験者の場合、真っ先にこれまでの経験が問われます。

  • どの程度の案件に関与し、クロージングまで至ったのは何件あるのか
  • 実際の案件においてどんな役割をこなしてきたか
  • M&A実務に裏付けされた知識を持っているか

職務経歴書には、「●●や▲▲という大型案件に関与」と記載してあっても、実際に案件の中心的役割だったのか、または単にDDのQ&Aシートの転送だけしていたのかによって、だいぶ違います。

たいていの面接者はある程度「経験を盛って」話をしますが、面接官側には、おそらくは見抜かれてしまいます。

といいますのも、本当に体験したことは臨場感がありますが、体験していないことは想像の世界の話なのでどこか上辺になっており、違和感を抱かれてしまうからです。

ですから、中途採用の面接において臨場感あふれる経験を語れるように、日々の仕事に真剣に取り組んでいる必要があります。

また、時々M&A関連の制度を知ってるかどうか問われることもあります。特に職務経歴書に記載した案件パターンの論点(たとえば合併なら合併の典型的論点)については、おさえておく必要があります。

未経験者の場合

未経験者の場合、職務経歴書に記載されている仕事の内容はFA業務そのものではないのですが、そのFA業務とは異なる「現在の仕事」で何をしているのかを確認されます。

面接でよくある質問としては、

  • チームでの仕事か個人の仕事か
  • 人を指導した経験があるか
  • 現在の会社での役割期待
  • 成功と失敗の経験

といったものがあります。

これらは、現状の仕事・状況がどのようにFA業務の志望動機につながっているかを確認するための質問です。

未経験でも現状がFA業務とメタ的には似ている部分があれば面接官は好印象を持つかもしれません。

2.頭の回転のはやさ(結果的に学歴)

M&Aアドバイザリーの採用でも学歴を重視するというわけではありません。

しかし、結果的に採用された人の学歴を見てみると、東大・京大・一橋・東工大・早慶が大部分を占めています。

FAの採用側としては高学歴を求めているわけではありませんが、頭の回転がはやい応募者を求めています。

その理由はFA業務が、

  • ジュニアでもValuationモデルやプレゼン作成で大量の法規制・会計税務・ファイナンスの知識の活用を求められる
  • クライアントの前に出るようになると、その場でタイムリーに正しくコミュニケーションをとれる必要がある

という特徴があるからです。

したがって、頭の良さが必須条件になるわけですが、そうなると高学歴者は頭の良い方である確率が高いので、結果的にそのような方ばかり集まるというのが現状だと思います。

とはいえ、実際には先ほどの大学群以外の大学の方も居るので、要はその応募者が面接時にどれだけ賢さをアピールできるかということだと思います。

3.若さ(年齢)

その応募者が若いかどうかということは、おそらく応募者が思っている以上に重要な要素だと思います。

その理由はFA業務が労働集約的である点に尽きます。

FA業務は、IT化もあまり見込めず(VDRや各ベンダーのデータベースはありますが)、案件ごとのテーラーメイドでとにかく時間がかかります。

また、手数料も高額になるのもあって、クライアントからも「24時間働けますか」的な動きを期待されます。

さらに、FA業務は半ば雑用のように思える作業もあり(丁稚作業)、ジュニアにはそれを黙々とこなすという能力も求められます。

なので、チームのジュニアにはとにかく体力がある人が望まれます。

そういう意味で、若い方が適応力がありそうだということで、採用されやすいと思います。

4.保有資格

採用側としても、応募者がどんな資格を持っているのかの確認はします。

しかし、資格があるからといって通るのは書類審査までで、面接では資格のありやなしやというのはあまり関係なく、これまで挙げた1〜3の要素の方が重視されます。

なお、資格で印籠のように機能するのは、

  • MBA(特に海外MBA)
  • 公認会計士(日本に限る)

の2つかと思います。

投資銀行の募集要項をみても、MBA保有者と公認会計士は「尚可」と書いてあることが多いです。

なので、前回の記事でも書きましたが、未経験者で資格もないという方は、資格を目指すのではなく別の方法でアピールした方が良いと思います。

さいごに

ということで、基本的にはFAの実務経験があって、頭が良い若い人材が好まれます。

これらの要素を全て満たす超人ならあまり心配は要りませんが、どれかが欠けてたり、不十分だったりした場合には、別の要素で補っていくことになります。

ただし、超人であっても面接で落とされることがあり、超人でなくても面接で取り返すことができます。それは面接では「別の要素」が決め手となるからだと感じます。

ということで、次回はその「面接の別の要素(最後の決め手)」について考えてみようと思います。

(参考記事)

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