不定期企画として、M&AのFinancial Advisory業務(FA業務)を続けていくために必要なことを考えておりますが、今日は3回目の記事として、
について考えてみたいと思います。
(参考記事)
FA業務は激務ですから
FA業務の負荷について
長時間残業
以前、「投資銀行のM&Aアドバイザリーの仕事は長時間の残業が当たり前なのか?」という記事で、M&Aアドバイザリーの仕事と残業について記事にしましたが、正直に言って、M&AアドバイザリーとしてのFA業務は激務だと思います。
(参考記事)
私が若手の時代は、電車で帰れるのは早いな〜というのが正直な感想でした。
平日の夜に友人と飲みに行くとかは滅多にできませんし、なんとか予定をやり繰りして事前に約束をしていても、当日、突然に電話会議が入って一時的な抜け出しすらできないという事態は普通にありました。
近年は若手の残業時間を少なめにしようという動きが各社で起こっており、一昔前よりは状況が改善している部分もあるやに見えますが、そうはいっても相応の残業はつきものだと思います。
精神的なストレス
また、FA業務はクライアントのハイボールなご依頼事項を捌きつつ、相手方のFAとも喧々諤々の交渉をしていかなければならず、精神的にもなかなかストレスフルな仕事です。
また、多方面で勉強を継続する必要があり、特に若手の方なんかは上司からのダメ出しに合わないように勉強しつつ、でも、やっぱりダメ出しを受けてしまうという日々だと思います。
そんなわけで、肉体的にも長時間の残業が継続し、また精神的にもいろいろと追い詰められやすい環境だといえるでしょう。
長時間働ける体力があるか
FA業務はこのように高負荷の仕事なので、体力がない人には向かないと思います。毎日8時間寝ないとまっとうに動けませんという方には正直向いていないでしょう。
もちろん、投資銀行でM&Aアドバイザリーの仕事をやりたいと思って入社してくる人はある程度の長時間労働を想定しているのだとは思いますが、いざそのハードワークに身を投じたときに仕事を続けられるかどうかというのは、まずは体力の有無にかかっていると思います。
20代の若手のうちは徹夜などの無理がききますが、30代になってくるとだんだんとそうもいかなくなってきますし、定期的に何か運動などをしていかないと筋力も衰えていきます。
なので、オフの日には運動をしている人が実は多くて、皆さん体力の維持には工夫をされているように感じます。
精神的な切り替えの早さ
FA業務は精神面でいうと、若手のうちは上司からのダメ出し、中堅になるとクライアントからのハイボールのご依頼ということで、精神的ダメージを負いやすい仕事でもあります。
この点では、クヨクヨせずにある意味で楽観的で、
「次は頑張ろう」
と切り替えられるひとがこの仕事に向いていると思います。
時々、すごく優秀なのですが、どうもハートが弱い若手が入社してきます。そのような若手が上手く切り替え上手になってくれれば良いのですが、精神的な性質というのはなかなか変えるのも難しいようで、やっぱり考えすぎて悩みの深い人は、そのまま悩みつづけるという傾向にあります。
さいごに
FA業務に必要な知識やスキルは、相応に優秀な人材であれば、ある意味であとからでも何とかなる面がありますが、体力や精神的なタフさは、かなりの部分が持って生まれた性質であり、あとからどうしようもないという側面もあります。
ですから、自分の性質を客観的に見て、体力と精神的なタフさがあるかどうかを改めて冷静にチェックしてみるのが良いかもしれません。
(次回の記事)
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