To Doリストの作り方 〜 思考と作業を分ける

仕事術
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今日は、仕事術の話として、考えるとき(思考)と手を動かすとき(作業)をしっかりと分けましょうという話をしてみようと思います。

また、To Doリストを作るときの留意点として、タスクとプロジェクトの違いについても触れます。

どうにもやる気が出ない原因のひとつは・・・

仕事でもなんでも良いのですが、何かの作業をしなければならないときに、どうもやる気が出ないし、気乗りもしないときってありますよね。

別の記事で「そんなときはとりあえず5分間だけやってみるというのがおすすめ」と説明しましたが、5分やったけどやる気はでないよねということも往々にしてあります。

(参考記事)

重要な作業に着手するための3つの「とりあえず」について考えてみる
仕事術として、3つの「とりあえず」をご紹介。重要だけど緊急性の低い作業に取り組むための心構えについて考えてみたいと思いますが、まずは結論をどうぞ。 とりあえず5分間だけやってみる とりあえず大枠(全体像)から決める と...

作業の具体的なタスクが決まっていないからかもしれない

それはタスクになっていますか?

たとえば、

「椅子から立ち上がってスクワットを5回やってください」

と言われた場合、その趣旨はよくわからずとも、とりあえず何をやれば良いのかは明確ですので行動に移せます。

一方で、

「株式の公開買付け(TOB)に関する顧客向けの提案書を作る」

という作業があったとして、これだと成果物が「TOBについてのプレゼン資料」ということはわかるものの、どうすればそれが完成するのかの筋道は全く不明です。こんな場合に「よし、とりあえずパワポを立ち上げよう」といって、いきなりPCに向かっても作業はあまりはかどらないように思います。

1つ目のスクワットと2つ目のプレゼン作成との違いは、

具体的に動けるレベルまで作業内容を落とし込めているかどうか(タスクになっているか)

という点にあると思います。

要するに、2つ目のプレゼン作成は何をやれば良いのか明確になっておらず、それはタスクではなくプロジェクトであるという点が問題なのです。

プロジェクトとタスクの違いに気をつける

プロジェクトはタスクではなくある特定のミッションを定義しているに過ぎません(例:プレゼンを作成するとか、Valuationのモデルを作成するとか)。

なので、プロジェクトだけ決まっていても、別途、具体的な作業をひとつずつタスクとして設定していかなければならないわけです。

M&Aアドバイザリーの仕事では、プロジェクトはディレクターやVPが決めることが多いですが、それをどのようにタスクに落とし込んで作業していくのかはジュニアの方々も積極的に関与していくことになります。

思考と作業の分離:タスクを考えるときと実行するときを明確にわける

ここからは、ジュニアがVPなどから「TOBプレゼン資料作成」といった特定のプロジェクトの一部を担当するように指示された場合を想定して、どのようにタスクを作り込んでいけば良いのかという点をもっと詳しくみていきます。

まず、タスクを考えるときと実行するときを2つのモードにわけて

  • 思考:タスクを考えるとき=上司モード
  • 作業:タスクを実行するとき=部下モード

といった具合に、同じ自分を上司モードと部下モードに分けて、上司モードの自分が作成するタスクリスト、すなわち指示書を部下モードの自分が実行するという具合に考えてみましょう。

(1)上司モードの留意点

上司モードとしてタスクを設定し、To Doリスト化するときには次のような点に留意すると良いでしょう。

(i)タスクを細分化して具体的なアクションにまで落とし込む

タスクは、次の1歩はこう動くというレベルまで細かく作業を定義しましょう。

具体例として、自分がジュニアでTOBプレゼンの作成のうち冒頭の「案件概要の整理と弊社理解」のセクションを作成するという場面を想定し、タスクを設定し、To Doリスト化してみます。

プロジェクト=プレゼンの大セクションの1つ目の「案件概要の整理と弊社理解」のパート作成

タスクの設定とTo Doリスト化(例)

  • 自分の担当セクションのパワーポイントの中項目の整理
    • 現状弊社が認識している事実関係を整理したページ
    • TOBをかける側(公開買付者)の会社概要
    • TOBされる側(対象会社)の会社概要
  • 事実関係を整理したページの作成
    • 過去の類似案件の事実関係整理ページを抜粋してきて、適宜修正して本案件の内容に作り替える
      • 本案件フォルダに過去の類似案件のパワポが整理されているか確認。なければ、アーカイブを検索して類似案件のプレゼンを探してくる必要あり
    • カバレッジチームに連絡して案件概要を再確認
      • 一旦現状認識のページを作成して、それをメールで送ってお互い資料を見ながら確認した方が効率的かもしれない。
    • 買付者と対象会社の資本構成は、他の大株主の持株比率も含めて最新の有報か四半報で情報を確認しておく必要あり
      • 大量保有報告書が出ていないか念のためチェック
    • ・・・(略)
  • 公開買付者と対象会社の会社概要の作成は・・・(略)
  • VPに最終納期と今後の予定を確認する
    • スケジュール確認
    • チームメンバーのミーティングの会議室の確保
  • ・・・(略)

(ii)タスクの優先度を決める

タスクを一覧にしてTo Doリスト化したら、その優先度といいますか、どの順番で作業をしていくのかを設定しておくべきです。

たとえば、自分だけで完結する作業よりも、別のメンバーと協同しなければならないタスクはその別のメンバーの空き予定の状況確認含めて早めに動かないと時間切れになってしまうかもしれません。

優先度の付け方としては、

  • 他の人に依頼する作業は早めに依頼する
  • 共同作業はスケジュール調整含めて早めに動いておく
  • プロジェクトの根幹パートから着手する
  • チームメンバーで重点的に確認する必要がある重要なパートから作る

といったあたりに気をつけると良いと思います。

(iii)タスクに関連する情報を入れる

To Doリストを作成しながら、1分程度で終わる作業の場合、作業も並行して実行し、それもメモしておこうということです。

たとえば、先ほどの例で言うと、

「本案件フォルダに過去の類似案件のパワポが整理されているか確認。なければ、アーカイブを検索して類似案件のプレゼンを探してくる必要あり」

というTo Doがありますが、案件フォルダに過去案件のパワポがあるかどうかはフォルダを確認したら若手にその作業をしたか聞けば済む話です。その結果、過去パワポを整理していないことが判明したならば、「過去案件の整理未実施、アーカイブの検索が必要」と付記することになるわけです。

(2)部下モードの留意点

(i)上司モードで設定した優先順位に沿って無心で動く

部下モードは、実行するモードです。

なので、上司モードで設定した優先順位に従って無心で作業をすすめるべきです。

もし、作業が無心で進められないということであれば、それはTo Doリストの作り込みが甘いということかもしれませんので、もう一度上司モードに戻ってリストの修正をする必要があるかもしれません。

(ii)何か思うことがあった場合、それを考え始めず、気になる点を「小プロジェクト」としてメモしておく

部下モードの最中に、

「あれ、この点に関連して、あんな作業が必要だな」

とか

「この情報を取りに行った方が良いかもしれない」

と気づくことは結構あります。このとき、作業中でも関わらず、「あー、どうしよう」と考え出すよりは、その気になる点を「小プロジェクト」的に備忘メモして後でそれを具体的にタスク化するようにすると良いと思います。

せっかく作業が乗ってきているのに毎度何かきつく都度中断していたら効率もあがりませんので、この点でも部下モードと上司モードはしっかりと分けておいた方が良いでしょう。

(3)上司モードと部下モードを行き来する

上司モードで詳細に作業を設定してTo Doリストに落とし込んでも、いざ実行モードで着手してみるとTo Doリストの抜け漏れに気づいたり、新たなタスクの必要性に気づいたりします。

ですから、部下モードでは作業の流れを中断しない程度に「こんなことに気づいた」という内容を「小プロジェクト」としてメモしておき、部下モードに一段落ついたタイミングで上司モードに戻ってその小プロジェクトのタスクをTo Doリストに追加していくことになります。

このように、上司モードと部下モードを何度も行き来して、作業をこなしつつ、よりハイレベルなTo Doリストを作成して作業効率を上げていくのが重要だと思います。

さいごに

To Doリストの作成に関するあれやこれやを改めてまとめてみましたが、ポイントは、

  • 思考モードと実行モード(上司モードと部下モード)の区別
  • プロジェクトとタスクを混同しない

ということですので、皆様も次にTo Doリストを作成する際にはぜひこの点に気をつけてリスト化してみてください。

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