市場株価基準法で出来高加重平均(VWAP)を正しく算出してみよう

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今回は、Valuation手法のうち、市場株価基準法について考えてみます。市場株価基準法には大きくは次の2つの算定方法があります。

  • 終値の単純平均
  • 出来高加重平均(VWAP=Volume Weighted Average Price)

TOBの際に開示される公開買付届出書等を確認しても、市場株価基準法そのものはほとんどの算定者が採用していますが、その方法として、終値の単純平均を採るのかそれともVWAPを採るのかはそれぞれの算定者のポリシーで違いがあるようです。

どちらを使うべきか

開示されている事例では終値の単純平均のケースの方が多いですが、個人的にはVWAPの方が正確だと考えています。

これは、たとえば次のような簡単なケースで考えてみると明らかです。1日の中で、

  • 始値 100円 1単元
  • ザラ場
    • 110円 1単元
    • 90円 10単元
  • 終値 110円 1単元

となっていた場合、終値を採用すると110円が株価となります。一方のVWAPは「売買代金 ÷ 出来高」という計算をします。

このケースでは、

  • 売買代金=100円+110円+900円+110円=1220円
  • 出来高=13単元

∴VWAP=1220円÷13=93.85円(小数点以下第3位四捨五入)となります。

たった1日だけでも、単純な終値とVWAPではだいぶ株価に差が出てきます。出来高が多い銘柄であれば、終値の単純平均でも差し支えないかもしれませんが、出来高が少ない銘柄で終値を使うと実際の売買状況からはかけ離れていく可能性があるのではないかと懸念しております。

売買代金を確認するには?

売買代金は直近日はYahooファイナンスで確認できるものの、過去のデータは一般に公表されているデータだと見れないようです(投資銀行等で有料で契約している外部データベースなら確認できますが)。東証日報の株式相場表を日次で確認していくという方法があるのですが煩雑すぎます。

インターネットを調べていたところ、無料で売買代金を調査できるサイトがありました。

株価データサイト k-db.com
(注:当該サイトは2017年末に更新終了しているようです)

一般の方でもVWAPを簡易的に調べるのに使えます。

なお、おそらくデータに誤りはないと思いますが、念のためその信憑性まで確認したい場合には、東証の日報東証の日報(株式相場表)を参照してチェックするのがいいと思います。東証日報はPDFしかないので、k-dbからエクセル等に取り込み、その後に東証の日報でチェックするのが楽だと思います。

さいごに

VWAPの算出式はあくまでも「算定期間の売買代金総額÷出来高総数」です。

時々、疑似VWAPとして毎日の「終値x出来高」を合計して算定期間の出来高総数で除す方法(終値の算定期間出来高加重平均)を示されることがありますが、その算出結果には理論的な意味がない点に留意が必要です。

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