ジュニアはM&A案件の「型」作りを意識しよう

M&Aとキャリア
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今日はジュニアの方向けに「M&A案件一巡の「型」作りを意識しよう」という話をしてみます。

DDのサポートはつまらない!?

M&Aアドバイザリーの仕事について日が浅いと、自分の作業がM&A案件の中で何の意味があるのかわからず、作業を軽視してしまうなんて人がいたりします。

たとえば、ジュニアはデュー・ディリジェンス(DD)のサポートを担当し、資料の整理だとか専門家の先生方からのQ&Aの転送だとかに追われます。DDサポートは一見「雑用的」で、何か高度な知識が身につくわけでもないと嫌がる若手も中にはいます。

しかし、実はDDサポートやQ&Aの転送を担当することは重要な仕事です。Q&Aシートのやりとりを考えてみても、

  • 買手及びその専門家が気にしてる論点がわかる(その後の契約条件交渉の場面で生きてくる)
  • ディールブレイクになりかねない回答や買収金額に相当の影響を与える回答についてはその提示方法とタイミングについて売手へアラートができる(回答方針の事前協議を打診できる)

という機能があります。

よく考えている担当者の場合、重要論点に関する質問や回答が送られてきた場合にはチームメンバーとすぐに共有し、次の動き方を協議します。一方でこのあたりをまだ知らない若手は作業の上辺だけを見て「DDサポートはつまらない仕事だ」と解釈するようですが、それでは当人の今後のためになりません。

こういう若手がM&A一巡の「型」を知っていて、自分の仕事の位置づけや今後起こることを理解していれば、もっと違った姿勢で仕事に臨めると思います。

M&A一巡の「型」とは何でしょうか?

ちょっと脱線しますが、たとえば料理をするとして、一度目は何もわからない状態でレシピを見つつ手探りで作りますが、二度目・三度目ともなれば、もう少し手際よく、以前に失敗した部分をフォローするなりして美味しく作れたりします。

その理由は以前の経験が「型」になっていて、それとの比較で二度目を体験するからだと思います。

M&Aも似たところがあり、たとえば若手が株式譲渡の案件を最初から最後まで経験したとします。その後、別の株式譲渡の案件をやると、登場人物(クライアント)は変わるけれどもM&A案件一巡の流れはそこまで変わるものではないということに気づきます。そして、以前の経験を思い出しながら、それと比較しつつ案件進めるようになるわけです。

ゆえに、若手はまずは入った案件において、その案件の一巡の流れをしっかりと意識し、自分の中に「型」として残すように努めることが重要です。そのためには案件で自分が担当しない部分、たとえば交渉戦略の策定や相手方のアドバイザーとの交渉についても上司がどのように動いているのかをしっかり見ておくことが大事です。

さいごに

M&Aの一巡を「型」にしていくのだ、ということを意識しているかしていないかで、成長スピードにかなりの差がでてくるのではと思います。明日からの仕事でぜひ意識してみてください。

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